Rock_ozanari’s diary

ノージャンル。音楽系はまあまあ多いです。

この世でトップクラスに悲しい生き物。アマチュアバンドマン


俺の事ですね。
最近書いた記事とちょっと内容被るんだけどそこは許されたい。ぶっちゃけ自分で書いた記事って次の日には内容忘れてるし基本的に読み返さないしな。

まずアマチュアバンドマンという生き物を「将来デビューして音楽で食って行きたいぜ!」と思ってる生き物として無理やり一括りしようと思う。普通に純度100%の趣味として休日にバンドやってる人とかもいるからね。それは別の生き物です。

で、アマチュアバンドマンのまず悲しい所、というか実質これに尽きるんだけど「常に金がない」本当にこれ。だってあなた、俺は社会人3年目の24歳ですよ?なのに今時点で全財産2300円ってどういうこと?ちなみに明日バンド練習でスタジオ入るので2000円失います。絶対幸せになってほしい。俺が。

これはもう繰り返し何度でも言っておきたいんだけど、音楽活動ってめちゃくちゃ金がかかるんですよ。練習するのにもスタジオ入って3時間2000円使って、ライブをすればお客さんの有無にもよるけど数万円使って、そろそろちゃんとしようよって音源とか作り始めると10万円とか簡単に吹っ飛んでいくわけです。コミケで散財するオタクよりヤバい。

それに加えて弦が切れるしスティックは折れるし欲しいギターはたくさんあるし、ちょっと宅録の環境でも整えるか〜つってキューベースのいいやつに七万円とかかけたりする。

俺はギリギリ限界社会人だけど、まあいい歳してプロを夢見てるアマチュアバンドマンって結構な割合でフリーターなんですよ。世間の目が痛かったり正月に親戚の説教から逃れる為に無理やりバイト入れたりして、それでも俺には夢があるからって無理やり自分を納得させながらコンビニでレジ打ってる訳。店長の「そろそろ正社員にならない?」みたいな善意を踏みにじりながら、親の期待を裏切りながら、客ゼロのライブハウスで聴き取れもしない歌詞を対バンのメンバーに届けようと顔を歪ませてる。お客さんいないし。
汚れも恐れも知らない幼子に「地獄ってなに?」って聞かれたら平日23:00の新宿のライブハウスだよって言えば多分だいたい合ってる。

対バン5組の内3組がフォーピースバンドで1組がスリーピースバンド、もう1組が弾き語りシンガーだったとして、更に全バンドが集客ゼロならその空間には自分の他に16人しかいない訳。もっともライブハウスのスタッフとかいるけどそこはまあ良いでしょう。

16人って結構多くない?って思うかもしれないけど、事実そんなことはない。その16人が全員ちゃんと対バンの演奏聴いてる訳じゃないし、大抵は酒飲んで煙草吸ってスマフォいじってる。酷いと明日バイト朝からだからとか言って帰ってたりする。

ライブハウスに行かないよって人は想像しにくいかもしれないけど、アマチュアバンドマンがライブをするライブハウスって当たり前だけど武道館みたいなデカくて晴れやかな舞台じゃなくて、なんていうかな、キャパ200って言うけど本当に200人も入るのこれ?みたいな狭い空間と低い天井、閉塞感の塊みたいな場所で良くない音を鳴らして叫んでる、そういう村上龍にめちゃくちゃ汚く描写されそうな酷い空間。
でも最近は綺麗なライブハウス増えましたね。大塚のDeepaとか、下北沢のモザイクとか。

ところでアマチュアバンドって集客どのくらいなの?という当たり前の問いに恥を隠さず解答すると、0〜5人くらい。10人も集められたら多分ライブハウスのブッキング担当に結構褒めてもらえる。まあ大概客0でも褒めてもらえるんだけど、まあそれはそれとして。地獄指数が上がるのでこの話はやめよう。

お客さんを10人呼んだらまあまあ凄いというのがアマチュアバンドの悲しいところなんだけど、よく考えてみてくださいよ。バンドメンバーが4人居たとして、1人当たり3人づつお客さんを呼んでくれればお客さんは12人になって簡単に10人呼んでる!すげえ!みたいな段階はクリア出来るんですよ。でもそれが出来ない。1人当たり3人をライブハウスに呼ぶことも出来ない。ここはそういう世界だ。シビアでしょ。残念な事に俺たちには人としての魅力が足りないの。

ここで当然の疑問として「バンドとして」10人呼べないの?というのがあると思うけど、呼べません。基本的にはライブだけしてファンを獲得するってのはかなり難しい。実際俺もたまたま観たバンドをちょっといいな、と思ってもわざわざ知り合いもいないのにまた観に行ったりとかしないし、Twitterとかフォローどころか探しもしない。下手したらバンド名忘れてる。

だから、まずは友達とか知り合いを呼ぶ事になる訳だけど、本当に悲しい事にアマチュアバンドマンは大概友達がいないからお客さんは呼べない。たまに来てくれたりする。アマチュアバンドはそういう友人知人の善意と気まぐれで次回のスタジオの予定を決める事ができます。本当ありがとうございます。ちゃんとします。

年齢重ねる度に友達も歳とって結婚したりもしかしたら子供も出来てたり、仕事も立場上がって忙しくなって、ライブハウスにお客さんとしてきてくれるどころか普通に飲みにも行けないみたいな事態になってくる。幸い俺の友達はほとんど独身フリーターなのでよく遊んでます。いつも遊んでくれてありがとう。

で、まあ時代的な背景もあるんだけど、フリーターだろうが正社員だろうが、結構みんな余裕ないしライブハウスから足が遠ざかると友達間での口コミみたいなものも減ってくるし(元々あってないような物だけど)そうするとじゃあ俺たちにはインターネットしかないねと言って金かけてレコーディングしてもっと金かけてPV作って、Twitterにあげて【拡散希望】を色んな人に無視されながら再生数107、高評価2、低評価1、コメント0みたいな事になる。レコーディングと合わせて10万円近くかけてるであろうPVも、だいたいそんなもんです。なんか書いてて泣きたくなってきた。でも泣かない。男の子だし。

いや本当、バンドなんてずっとやってたら自分が売れもしない12曲入り1500円のアルバム作ってる内に同級生が家建ててたりしますから。そういう世界に俺たちは生きてます。

そういやこのブログで書いた事なかったかもしれないけど(@Rock_ozanari)でTwitterやってます。海って名前で海のアイコンです。わかりやすい。フォローしてね。人生とか。

それでは。